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生きものは弱いから生きのびる
生きものは弱いから生きのびる|生命誌研究・中村桂子 × YAMAP 春山慶彦
私はこれからの社会で、特に大事になってくるテーマは「人間の弱さ」に立ち返ることだと思っているんです。というのも、「人間とは何か」を突き詰めれば突き詰めるほど、「人間の弱さ」が根底にあるからです。
直立二足歩行も、人間の弱さを起点にしていた。その弱さを自分たちの特徴に変えたというのがすごくおもしろい。極めて人間らしい。弱いからこそ立ったって面白いじゃない。おそらく今だって、弱いからこそ新しいことをやるということはいっぱいあると思うんです。
生き物は、人間は弱いから進化した、新しいことをやれた、生きのびてこれたという話でした。いやー、とても面白かった。
僕は「地球とつながるよろこび。」を掲げるYAMAPという会社が大好きで、春山さんの動画はだいたい観ているんだけど、この中村さんとの対談は自分の仕事観や、改めてなぜモノをつくるのかを考え直す大きなヒントになりました。
ウェブのモノづくりの現場でマネジメントという仕事をしていると、中村さんの言う新自由主義のように、いかに競争力を高めるか、効率を極限に高めどのように強いチームを作るかを根底に考え、ひとつの物差しで順位や、適合・不適合を判断してしまう。
資本主義経済の中で利益を追求する企業から対価をもらう立場としてはそりゃそうなんだけど、 本来誰の、なんのためにモノをつくりたいんだっけ? という視点に曇りが生じてしまうんですよね。
「ユーザーへの価値提供」をビジネス書に載っているようなフレームワークで考えてみたり、ビジョンに思いを巡らせても、 常にそこに「お金を儲ける仕組みや市場があるか」という縛りができてしまう。
その代わりに、誰かの弱さにそっと寄り添うにはどうしたら、何が出来るかって考えたいと思っています。 弱さを起点にして新しいことに挑戦し、少しずつ進化していこうという。
同じようにチームビルディングにおいても「人間は誰しも弱いところを持っているんです。弱いところはお互いに補え合えば良いし、弱いからこそ僕らは協力して成長していきましょう」というメッセージはとても大切にしています。例えば「ポストモーテム」という「何がうまくやれて、やれなかったか、次もっとうまくやるために何が出来るか」というイベントを、システム障害のあとに行うとか。
話は戻りますが、中村さんの著書、「科学者が人間であること」も、折を見て読んでみたいな〜。